『デジモンアドベンチャーLAST EVOLUTION絆』は1999年にフジテレビ系列で放送された『デジモンアドベンチャー』の20周年を記念して映画公開された『デジモンアドベンチャー』シリーズの正式な後継作品です。
デジタルワールドでの冒険から10年後の世界2010年を舞台にしています。
本作のあらすじ
デジモンワールドでの冒険当時11歳だった主人公の八神太一は22歳になり,なかなかやりたいことが見つけられずに就職活動に苦しめられていた。
その一方でデジタルゲートを介して現れるデジモンと戦い,デジタルワールドに送り返す。
そんな日常を繰り返していました。
そんな日常を繰り返す太一らの元にメノア・ベルッチとその助手を名乗る井村京太郎という人物が訪ねてくる。
メノアが太一らの元を訪れたのは他でもなく今世界で起こっている選ばれし子供らの失踪事件についてだった。
その真相に迫るうち,太一らは今回の件の黒幕の元へ辿り着くこととなる。
そんな太一らには残酷な運命が迫ろうとしていた。
それはデジモンらとのパートナーシップの解消。
つまり,アグモンらとの別れであった。
ゲンナイらが言う「大人になるとデジモンとの別れがやってくる」とは?
今回の物語で気になるのが大人になるとやってくると言うパートナーシップの解消について。
大人になったらとは言うもののデジモンとのパートナーシップの解消に年齢は関係ないようだ。
なぜなら太一とヤマトにパートナーデジモンとのパートナーシップの解消が迫っているのが22歳。
太一やヤマト以外に冒険を共にした仲間である丈やミミ,空はパートナーとの別れは訪れていない。
一方,今回太一らの元を訪れたメノア・ベルッチのパートナーシップの解消が14歳。
では何を持って大人になるとし,パートナーシップの解消に至るのか。
まずはその内容について考察していきたいと思います。
大人になったらデジモンとの別れが来るは間違い?
メノアが研究の末にたどり着いた「大人になったらデジモンとの別れが来る。」
実はこれ自体が間違いなのではないかと思う。
ではなぜ太一とヤマトにはパートナーデジモンとの別れが差し迫っているのか。
その理由はズバリ太一らが成長のためにデジモンを必要としなくなってしまったのが原因だと思う。
『デジモンアドベンチャーLAST EVOLUTION絆』においてパートナーシップの解消の描写があるのはメノア,太一,ヤマトの3人。
メノアはパートナーに頼らずとも生きていける自分を望み,太一やヤマトも生きていく上でパートナーデジモンを必要としなくなってきていた。
一方で空はパートナーであるピヨモンを必要とし,ミミもビジネスパートナーとしてパルモンを必要としている。
ヒカリもテイルモンを必要とし,うまく共生の道を歩んでいる。
つまりパートナーシップの解消に至る原因は大人になってしまうことではなく,パートナー自身の成長にデジモンが必要なくなってしまうことにあるのではないかと思う。
本来パートナーデジモンに与えられた役目は子供達の成長である。
その子供らの成長に邪魔にならないようにデジモンらは子供らの成長に自分が不要だと感じた時姿を消すのではないだろうか。
子供達の成長がデジモンに与えられた使命だとすれば,たとえ自分の姿が消えようとも太一の成長を感じることができたアグモンにとっては何よりも嬉しいことなのだろう。
ただし,太一らにもまだアグモンらと再会する余地が残されている。
それはメノアがエオスモン(モルフォモン)を必要とし,再会できたように(本人は当初気づいていない),太一らがまたアグモンらを必要とする困難を伴う新たなステージに立つことができれば,あるいは再会の可能性も残されているのだろう。
宿命は変えられないかもしれない。でも運命は変えられる。
自らが大人になることを選択し,その後に訪れるモルフォモンとの別れという運命を嘆いていたメノア・ベルッチ。
そんな彼女自身もその運命に翻弄された1人でした。
太一とヤマトにとってアグモンやガブモンとの別れは悲しいものでしたが,彼らが選んだ選択は大人になることにより訪れるデジモンとの別れという宿命に抗うのではなく,太一らがまた次のステージでアグモンらを必要とできる新たなステージに立つべく運命に抗うことでした。
困難に対して果敢に立ち向かってきた選ばれし子供たちである太一たちだからこそ,選ばれし子供たちらしく困難な運命に対して前向きにぶつかっていくのかもしれません。
その後に成長を通して新たな自分に会であえることを知っているから。
今回の名言から学びたいこと
アグモンらとの再会のためにまた自分が成長できるステージを目指す太一とヤマト。
同じように困難なことも世の中にはたくさんありますが,諦めるのではなく新たな自分に出会うべく,太一らのように果敢に挑んでいきたいものです。
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